三木市は、400年以上の歴史を誇る「金物のまち」。
その誇りを象徴する存在が、世界にただ一つの**金物鷲(かなものわし)**です。
鋸(のこぎり)、包丁、小刀、鎌など、
約3,000点もの三木金物を組み合わせてつくられた勇壮な姿は、
見る人の心を奪います。
重さは約1.5トン、翼は約5メートル、高さ約3メートル。
圧倒的な存在感を放つ金物鷲ですが、
安全上の理由から展示期間は限られ、年にわずか3〜4日だけ“飛ぶ”――
そんな幻の鷲としても知られています。
✽ 三木金物鷲のはじまり
その起源は昭和8年にさかのぼります。
前年(昭和7年)に三木町(現・三木市)は大水害に見舞われ、美嚢川が氾濫。
町は沈んだ気運を盛り上げるために、住民から様々なアイデアを募集しました。
その中で神町から提案されたのが「金物の鷲」。
これが金物鷲の原点となったと伝えられています。
同じ頃、「三木音頭」や「三木小唄」も生まれ、
まちに再び活気を取り戻そうという三木の人々の創造力が花開いた時代でもありました。
✽ 初代 金物鷲(昭和27年)

昭和27年、三木金物見本市(のちの金物振興展、現在の金物まつり)にて、
包丁鍛冶の**鈴木信次氏(三寿ゞ刃物製作所)**を中心に、
卸組合・兵庫県工業技術センターの技術者たちが協力し、
初代・金物鷲が誕生しました。

見本市は三樹小学校講堂をメイン会場に開催され、
当時の金額で150万円を投じた大規模な催し。
全国から88軒のメーカーが出展し、正面舞台に飾られた金物鷲は
その美しさと迫力で多くの来場者を魅了しました。
✽ 二代目 金物鷲

- 昭和32年:第四回 三木金物振興展にて展示
二代目は初代の構造を受け継ぎながらも改良を重ね、
より精巧で美しい造形となりました。
✽ 三代目 金物鷲
昭和34年に登場した三代目は、国内外で数々の展示を行い、
まさに“世界に羽ばたく鷲”となりました。

主な展示記録:
- 昭和34年 三木金物振興展
- 京都 金物荒物日用雑貨見本市
- 東京高島屋 兵庫の物産と観光展
- 1967年(昭和42年)4月12日 兵庫県庁にて昭和天皇 御観覧
- 2006年 ドイツ・ケルン国際ハードウェアメッセ
- 2015年7月7日〜20日 竹中大工道具館(神戸市)
これらの展示を通して、金物鷲は三木金物の象徴として全国に、そして世界にその名を広めました。
✽ 四代目 金物鷲
平成31年現在、三木工業協同組合青年部によって管理されている四代目金物鷲。
近年もその雄姿はイベントや展示で披露され続けています。

主な展示記録:
- 2018年 ワンダーフェスティバル(幕張メッセ)
- 2018年 三木金物まつり
- 2025大阪・関西万博 LOCAL JAPAN展
約3,000本の刃物を一本ずつ手で突き刺して組み上げるという、
熟練の技が求められる工程は、今も変わりません。
✽ 常設型「金物鷲」の誕生
長年、金物鷲はイベント期間中にしか見ることができない存在でした。
仮設タイプのため、長期展示が難しく、
三木金物まつりの2日間だけ“姿を現す幻の鷲”として親しまれてきました。
しかし、三木金物をより広くアピールするため、
そして市民や来訪者が日常的にその象徴に出会えるようにと、
関係者の長年の願いであった常設型・金物鷲がついに設置されました。

この常設型は、三木の金物文化を未来へとつなぐ新たな象徴。
金物のまち・三木の誇りと、職人たちの情熱が形となった存在です。
※常設展示場 兵庫県三木市 道の駅みき1階
✽ 常設金物鷲が生まれる過程
― 映像で振り返る ―
設置に至るまでの構想・製作・組み立ての様子は、映像としても公開されています。
三木の職人たちの手で再び羽ばたいた金物鷲、その誕生の瞬間を映像でぜひご覧ください。
📍展示情報や最新の金物鷲の姿は「三木金物まつり」公式サイトへ
👉三木金物まつり公式サイト
※本記事内の画像は、三木市公式ホームページおよび三木工業協同組合のウェブサイト掲載資料をもとに構成しています。
