三木市の広大な緑に囲まれたレジャー施設、かつての「グリーンピア三木」。 現在は「ネスタリゾート神戸」として賑わっていますが、その入り口に、空を突くような巨大なステンレスの「刀」があったのを覚えていますか?
今回は、三木の「金物のまち」としての象徴でもあった、世界的彫刻家・関根伸夫氏による巨大モニュメント『空の刀』をご紹介します。

1. 巨大なステンレスの輝き。作品『空の刀』とは
グリーンピア三木の入り口、道標を兼ねて建てられていたのが、この『空の刀』です。 白御影石の石柱に支えられ、大空に向かって見事な反りをみせる巨大なステンレス製の「刀」。
この作品は、日本を代表する彫刻家であり、現代美術の大きな動向「もの派」を牽引した**関根伸夫氏(環境美術研究所)**によって制作されました。
2. 三木の「金物」を象徴するデザイン
このモニュメントは、単なるアート作品ではありませんでした。 江戸時代から「金物のまち」として知られ、鉋(かんな)や鑿(のみ)などの大工道具から家庭用刃物まで、全国の金物生産の約7割を占めていた三木市。
その「刃物の町」の象徴として、まさに空を斬るような鋭い輝きを放つ「刀」が選ばれたのです。 人工的な輝きを放つステンレスと、自然のあたたかみを感じさせる石肌の対比が、訪れる人々に強い印象を与えていました。
3. 「グリーンピア三木」から「ネスタリゾート神戸」へ
かつてこの場所を運営していたのは財団法人の年金保養協会で、347万平方メートルという広大な自然の中に、スポーツ施設や宿泊施設が備わっていました。
しかし、時代の変化とともに「グリーンピア三木」は閉園。 2016年には「ネスタリゾート神戸」として生まれ変わり、三木を代表する大型エンターテインメント施設へと進化を遂げました。
4. 失われた?それとも…?消えた「空の刀」の謎
施設の全面リニューアルに伴い、入り口付近の風景も大きく様変わりしました。 現在、この巨大な『空の刀』がどうなったのか、正確な行方はわかっていません。
施設の象徴として移設されたのか、あるいは歴史の一部として姿を消したのか…。 当時を知る人にとっては、あのステンレスの輝きが、かつての楽しかったレジャーの記憶と結びついている大切な風景のひとつではないでしょうか。
結び:アートが語り継ぐ三木の誇り
たとえ姿が見えなくなったとしても、世界的アーティストが「三木の刃物」をモチーフに巨大な作品を創り上げたという事実は、この街が持つ「ものづくり」の誇りを感じさせてくれます。
ネスタリゾート神戸で今を楽しむのも素晴らしいですが、たまにはかつての風景に思いを馳せ、三木の歴史やアートの足跡を辿ってみるのも面白いかもしれません。
参考資料: 『空の刀』関根伸夫(兵庫県三木市・グリーンピア三木入口)
