【三木金物・深掘り④】壁に命を吹き込む、しなやかな名脇役「鏝(こて)」

こんにちは、みきぺだるです。 三木金物の世界を巡る連載、第4回は左官職人の魂ともいえる道具、**「鏝(こて)」**をご紹介します。

土壁や漆喰を美しく塗り上げる鏝。実は、三木市は**「鏝の生産量日本一」**を誇る産地でもあるんです!

1. 「しなり」が命!0.1ミリにこだわる高度な焼き入れ

鏝に最も求められるのは、手の一部のような**「しなやかさ」**です。 壁を塗る際、力加減に合わせて刃先が絶妙にたわむことで、材料を均一に美しく伸ばすことができます。

三木の鏝は、鋸と同じく高度な「焼き入れ(熱処理)」が施されています。鋼に弾力(バネ性)を持たせることで、薄くても折れず、職人の繊細な動きをダイレクトに壁に伝えます。この「しなり」の良さこそ、三木ブランドがプロに選ばれる最大の理由です。

2. 接着面が外れない!「背金」の秘密

鏝を裏返すと、持ち手と刃を繋ぐ**「背金(せがね)」**というパーツがあります。 昔ながらの三木の高級鏝は、この背金と刃を溶接ではなく、高度な鍛造技術や特殊な接合で一体化させています。

もし使用中に背金がグラついたり外れたりすれば、美しい壁は塗れません。過酷な現場で毎日使ってもびくともしない耐久性は、三木の職人たちが長年磨き上げてきた接合技術に支えられています。

3. 材料に合わせて使い分ける「数千の種類」

左官の世界は、塗る材料(漆喰、土、セメントなど)や、仕上げる場所(角、曲面、広い面)によって必要な鏝が全く異なります。

  • 元首(がんくび)鏝: 力を入れやすく、下塗りに最適。
  • 柳刃(やなぎば)鏝: 細かい隙間や細工を仕上げる。
  • 角(かど)鏝: 壁の隅をビシッと直角に仕上げる。

三木では、こうした職人のこだわりに応えるため、数千種類もの鏝が作られてきました。「三木に行けば、どんな難しい現場の道具も揃う」と言わしめる、圧倒的なラインナップも三木の強みです。

むすび

無機質な壁を、芸術的な空間へと変えていく鏝。 実は、以前ご紹介した12月7日の**「ふいご祭り(古式鍛錬)」では、今年度は「鏝(こて)部会」**による実演が行われる予定です!

火の中から生まれ、水で磨かれ、職人の手によってしなやかな刃へと変わる……。その迫力ある誕生の瞬間を、ぜひ会場で体感していただきたいです。

さて、いよいよ連載も次回が最終回。 最後を飾るのは、手のひらの中の小さな宇宙、**「彫刻刀(ちょうこくとう)」**の世界。 子どもの頃に使ったあの道具とは全く違う、三木が誇る「極小の美」をご紹介します!

次回の更新も、どうぞお楽しみに!

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