こんにちは、みきぺだるです。 三木金物の世界を紐解く連載も、ついに最終回。トリを飾るのは、大工道具の中でも最も身近でありながら、最も職人の個性が光る**「小刀(こがたな)」**です。
鉛筆削りから竹細工、さらにはプロの精密な木工作業まで。小さな体に秘められた、三木金物の真髄に迫りま

す。
1. 「切出し」に宿る、職人の鍛造技術
三木の小刀といえば、代表的なのが**「切出し(きりだし)」**。 一見シンプルな一枚の刃物ですが、これも他の道具と同じく、硬い鋼と粘りのある軟鉄を叩き合わせる「火造り」によって作られています。
三木の小刀がプロに愛される理由は、その**「食いつきの良さ」**。 狙ったところにスッと刃が入り、力を逃がさない。この絶妙な刃先の角度と鋭さは、職人が一本一本、鋼の性質を見極めて研ぎ上げているからこそ実現できるものです。
2. 削るだけじゃない。「描く」ための道具
小刀は、時に「鉛筆」のように使われます。 木材に精密な印をつけたり、微細な凹凸を整えたり。特に竹細工の世界では、小刀一本で全ての工程をこなすことも珍しくありません。
三木では、使う人の用途に合わせて、驚くほど多彩な形状の小刀が作られてきました。
- 繰小刀(くりこがたな): 曲線や穴の内側を削るためのもの
- 竹引(たけひき)小刀: 竹の繊維を美しく削ぐためのもの
- 接木(つぎき)小刀: 植物の断面を傷めず鮮やかに切るためのもの
「道具を使い手に合わせる」という三木の職人魂が、この小さな刃物のバリエーションに凝縮されています。
3. 研ぎ澄まして「一生」使う
良い小刀は、研げば研ぐほど手に馴染み、刃が短くなっても使い続けることができます。 三木の小刀は、鋼が根元までしっかりと入っているため、何十年と使い続けてもその切れ味が変わりません。
道具を大切にし、手入れをしながら長く使う。まさに「伝統的工芸品」が大切にしている精神そのものが、小刀には宿っています。
連載の終わりに:三木金物が紡ぐ未来
これまで5回にわたって、鉋・鑿・鋸・鏝・小刀という「三木金物」の五つの至宝をご紹介してきました。
どの道具にも共通していたのは、 「使う人のために、一ミリの妥協も許さない職人の手仕事」 「100年以上の歴史に裏打ちされた、確かな技術」 でした。
12月7日の**「ふいご祭り」**は、こうした素晴らしい道具たちを生み出してくれる火と水、そして職人たちの技に感謝を捧げる日です。
時代は変わっても、三木の街には今も火花が散り、槌音が響いています。 この記事をきっかけに、皆さんの手元にある道具や、三木の街の歴史に少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
「みきぺだる」では、これからも三木の素敵な文化や歴史を追いかけていきます。 五つの至宝を巡る旅、最後までお付き合いいただきありがとうございました!
