三木市から巡る国宝3選|神鉄×レンタサイクルで行く北播磨歴史ライドガイド

三木市には、実は国宝建築はありません。

…が。

少し足を伸ばせば、なんと3つもの国宝があるんです。

神戸電鉄で三木まで来て、レンタサイクルで歴史を巡る。
そんな“大人の文化系ライド”はいかがでしょうか。

山と川に囲まれた北播磨エリアは、静かに時を重ねた名刹の宝庫です。


1. 太山寺(神戸市西区)

神戸市西区にある天台宗の古刹。

創建は奈良時代・716年(霊亀2年)。
藤原鎌足の長男・定恵による開山と伝わります。

南北朝時代には、
支院41ヶ坊・末寺8ヶ寺・末社6ヶ社を数える大寺院でした。

現在残るのは5ヶ坊のみですが――

往時を偲ばせる大きさの本堂が国宝
鎌倉時代建立の堂々たる建築で、神戸市唯一の国宝建築物です。

修繕が入っているため比較的新しく見えますが、
その構造美はまさに中世の技。

少し歩きますが、奥の院には磨崖仏も。
森の中を歩く時間も含めて、静かな余白を感じられるお寺です。

みきぺだる視点|の背山の原生林というもう一つの見どころ

太山寺の背後に広がる「の背山」は、近畿でも数少ない照葉樹の原生林として知られ、兵庫県の天然記念物に指定されています。

記録によると、約1300年間戦火に見舞われていないとされ、少なくとも1300年手つかずの森林が残されているといいます。
国宝の本堂が鎌倉時代なら、こちらはそれ以前から続く“生きた歴史”。

ここでは大きく2種類の植生を見ることができます。

ひとつは、土壌が深く腐植層が発達した段斜面や平坦地に広がるコジイを中心としたシイ林。
下から樹冠を見上げると、隣り合う樹木の枝葉は決して重なり合わず、互いの領域を侵すことなくドーム状の天井をつくっています。自然の秩序の美しさに、思わず足が止まります。

もうひとつは、腐植層が薄い尾根や断崖地に形成されるウバメガシ林。
シイ林ではウラジロガシ、ナナミノキ、オガタマノキ、カゴノキ、イスノキ、クロバイ、カクレミノ、タイミンタチバナ、アリドオシなど、多様な植物が観察できます。川沿いにはイタビカズラの大きな株も見られ、植物観察のフィールドとしても非常に貴重です。

自転車を降りて、森をゆっくり歩く時間。
ペダルで辿り着いた先に、1300年変わらない風景が広がっている。

歴史ある本堂を訪ねるだけでなく、その背景にある森まで体験できる。
太山寺は“建築を見る場所”であり、“時間を感じる場所”でもあるのです。

地図


2. 浄土寺(小野市)

鎌倉時代・1194年(建久5年)創建。
東大寺再建で知られる重源がつくった別所のひとつです。

そのため、浄土堂は東大寺大仏殿と同じ「大仏様(だいぶつよう)」の建築様式。

この浄土堂が国宝
さらに堂内の阿弥陀三尊像も国宝という、二重にすごいお寺。

そして、ここ最大の見どころは――

夕刻。

阿弥陀三尊像の背後から差し込む西日が、
像を黄金色に浮かび上がらせます。

特に16時頃(※季節で変動)が美しいとされ、
極楽浄土が現れるような瞬間に出会えるとか。

時間を合わせて訪れたい、光の寺です。

地図


3. 朝光寺(加東市)

創建は飛鳥時代・651年(白雉2年)。

インドから紫の雲に乗って日本へ渡来したという法道仙人が開基と伝わります。
ロマンが強い。

山間の静かな空気の中に佇む古刹。
近くを流れる鹿野川には滝もあり、自然の気配が濃い場所です。

本堂は、和様に禅宗様を加えた折衷様建築で国宝に指定。

本尊は二体の十一面千手観世音菩薩。
いずれも秘仏で、普段は拝観できません。

アクセスは正直、便利とは言えません。
でも、だからこそ辿り着いたときの達成感はひとしお。

東条湖方面と合わせて巡る方が多いのも納得です。

地図


まとめ|三木は「起点」になれる

三木市に国宝はない。

でも、三木は“近い”。

神鉄で来て、レンタサイクルで巡る国宝ライド。
山を越え、川を渡り、時代をまたぐ。

観光地を消費するのではなく、
風景と歴史の間を、自分のペースで走る。

そんな旅の拠点として、三木はちょうどいい。

次の休日、
少しだけ遠い過去へ走ってみませんか。

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