三木城跡側に建つモダンキャッスル三木市役所という建築作品
三木市には、いまはもう存在しない城がある。
だが、城は消えていない。
その気配は、丘の上にかたちを変えて立っている。
それが、三木市役所だ。
場所は、かつての三木城跡からすぐのばしょ。
最寄り駅は、その名も城感あふれる三木上の丸駅。
駅から歩く。
わずかに上る。
視界が開けた瞬間、輪郭が現れる。
行政施設、という言葉では足りない。
これは、現代の城だ。
城の記憶を継ぐ建築コンセプト
この庁舎は、単なるオフィスビルではない。
設計コンセプトは明確だ。
- 三木城の面影
- 城下町の家並みのシルエット
- 背後に連なる山々の稜線
それらを重ね合わせ、建築のフォルムとして再構築している。

城跡という立地の意味
まず特筆すべきは“場所”。
城跡という小高い丘をそのまま敷地として活かしていること。
これは偶然ではない。
城は、都市の象徴だった。
市役所もまた、現代都市の象徴である。
歴史と現在が重なる地点に、この建築は立っている。
議場は最上階 —— 現代の天守
庁舎オフィス棟は合理的で機能的な構成。
しかし象徴的なのは、議場を最上階に配している点だ。
城で言えば天守にあたる場所。
意思決定の場を最上部に置く。
これは単なる配置ではない。都市へのメッセージだ。
垂直方向への強調。
遠景からも認識できるシルエット。
建築としてのアイコン性がここにある。
市民ホールの“ヴァナキュラー”という温度
別棟の市民ホールには、ヴァナキュラー(vernacular)な要素が取り入れられている。
ヴァナキュラーとは、
その土地に根ざした伝統的・土着的な様式のこと。
無機質になりがちな行政建築に、
地域性と人の温度を持たせる。
城の硬質さと、城下町の柔らかさ。
その対比がこの建築の奥行きを生んでいる。

直線回廊という“軸”
正面玄関から伸びる直線回廊。
このラインが複数の建築要素を貫き、施設全体を統合している。
直線は軸だ。
城郭でいえば大手道。
視線が抜け、光が入り、
時間帯によって陰影が劇的に変化する。
写真好きにはたまらない空間だ。

そして、確信する。
丘の上に立った瞬間、はっきりと思う。
三木市役所は、モダンキャッスルだ。
石垣も天守もない。
だが、
・最上階に議場を置く象徴性
・城跡の地形を継承する立地
・稜線を思わせるフォルム
・直線回廊という強い空間軸
それらが重なったとき、
この建築は“庁舎”という枠を越える。
三木城は歴史の中に消えた。
しかし、城の精神はここに立っている。
三木のモダンキャッスルとして。
写真を撮るなら
※ここに写真複数挿入予定
おすすめ構図:
- 三木上の丸駅側からの遠景シルエット
- 回廊の奥行きを活かした正面パース
- 夕暮れ時の議場上部
- 城跡側からの俯瞰
特に夕景は圧巻。
輪郭が浮かび上がり、“城”の気配が濃くなる。
みきぺだる的視点
自転車で訪れると、この場所の意味がよく分かる。
わずかな勾配を上る。
登り切った瞬間、視界が開ける。
まるで城へ攻め上がるような感覚。
三木は、歴史を壊さず更新している。
城はなくなった。
だが象徴は、進化した。
丘の上に立つこの建築は、
三木という街の意思そのものだ。
まとめ
三木市役所は、行政施設でありながら都市の記憶装置でもある。
歴史的地形と融合し、
象徴性と機能性を併せ持つ建築。
建物ファンにも、写真好きにも、
そして歴史好きにも刺さる存在。
三木を訪れたら、ぜひ丘の上へ。
そこには、モダンキャッスルが待っている。
